啓蟄と春分を迎えて |
3月には二十四節気の啓蟄と春分があります。今年は3月5日が啓蟄、そして3月20日が春分にあたります。 |
啓蟄の頃は、寒かった冬から、暖かな日が少しずつ増えてくる時期です。この頃になると、地中で冬ごもりをしていた虫やヘビ、カエルなどが、春の暖かさを感じて目覚め、地上へとはい出てきます。 |
他の動物や鳥たちにも動きが見られ、ウグイスは「ホーホケキョ」とさえずり始めます。この声を初めて聞いた日をウグイスの初鳴日といい、気象庁により毎年調査が行われています。ウグイスの初鳴きには地域差があり、桜前線のように2月下旬に九州地方から始まり、北へと移り、3月上旬には関東地方、そして下旬には本州の広い範囲で確認することができます。 |
一方、雪深い地域でも雪解けがはじまり、早春の草花が次第に芽吹き始めます。雪を割って花を咲かせる「雪割草(ゆきわりそう)」には、いくつかの植物があります。キンポウゲ科のミスミソウやスハマソウは早春に開花し、花の色や形、葉の模様などに変化があります。オウレンやカタクリとともに早春の植物として人気があります。地域によっては、ユリ科のショウジョウバカマなどを「雪割草」と呼ぶこともあります。また、ユキワリソウという和名の植物はサクラソウ科の高山植物で、初夏の頃に花を咲かせます。 |
春分の頃には、暖かい日が増えて桜の蕾も少しずつ膨らんできます。中には寒い日もありますが、穏やかな日差しが降り注ぐ日も増えてきます。植物や虫たちとともに、人間にとっても待ち望んだ春がやってきます。 |
(掲載日:平成29年3月17日) |