潅仏会とアマチャ |
旧暦4月8日はお釈迦様の誕生日といわれています。各地の寺院では、誕生を 祝う「潅仏会(かんぶつえ)」が毎年4月8日前後に行われます。この法要は、 多彩な春の花でお釈迦様の像を安置した御堂を飾りつけることから、「花祭り」 ともいわれます。 |
潅仏会には「甘茶」が付き物です。甘茶で作ったお茶を参拝者に振る舞ったり、 お釈迦様の像に注いだりします。このように甘茶を用いる習慣は江戸時代頃から 広まったとされています。 |
甘茶はユキノシタ科のアマチャの葉を乾燥したもので、生薬として日本薬局方 にも収載されています。甘茶はその名前が示すように味が甘く、甘味成分として フィロズルチンが知られています。新鮮な葉では配糖体として含有されていること から甘さは全く感じられませんが、葉を摘んだ後しばらく乾燥し、半乾きのとき手で よくもむと発酵が進み、加水分解されて甘味が生じます。 |
甘茶の甘味はとても強いことから、糖尿病や肥満症の場合に、砂糖の代わりに 用いられます。この他に錠剤の糖衣や醤油の風味づけに使用されることもあります。 なお、ウリ科のアマチャヅルは甘茶と間違えられることがありますが全くの別物です。 |
(掲載日:平成21年04月01日) |