ホーム > 漢方・生薬について > 歳時記 > 歳時記(2009年) > 2月の誕生石といえば…

歳時記


2月の誕生石といえば…

 
 2月の誕生石といえばアメシスト(Amethyst)です。アメシストは紫水晶とも呼ばれ、紫色を高貴な色として考える日本人には、各種水晶の中でも特に好まれています。世界的にはブラジル、ウルグアイなどで主産し、日本でも宮城、鳥取県などで産します。
 
 
 アメシストの名称はギリシア語の"amethystos"を語源とし、"酔わない"という意味を持っています。そのため身につけていると悪酔いを防ぐと信じられています。またアメシストには、「心の平和」や「誠実」という意味もあります。
 
 アメシストは漢方医学における「紫石英」の基源鉱物のひとつとしても知られています。「紫石英」は、鎮静、鎮咳、止渇、強壮薬として精神不安、驚悸不眠、老人の喘嗽などの症状に応用されます。しかしながら古来、「紫石英」の基源鉱物には混乱が認められ、2005年版の中華人民共和国薬典に収載される「紫石英」の基源鉱物は蛍石(Fluorite)です。
 
 モースの硬度計によれば、アメシストは7度、蛍石は4度であり、アメシストの方が硬いことから区別がつきます。また蛍石は、火中に投じると蛍光を放つことからも区別ができます。両者は共に紫色を呈しており、一見すると区別は難しいことから、長い歴史の中で混乱が生じたものと思われます。
 

(掲載日:平成21年02月05日)