ホーム > 漢方・生薬について > 歳時記 > 歳時記(2007年) > 「夏から秋へ」

歳時記


「夏から秋へ」
 
 処処でエンジ色のマッチ棒の頭のような花穂が見られるようになりました。
ワレモコウはバラ科ではめずらしく、花弁がなく、がく片のみの花の集まりです。
吾木香、我木香、吾亦紅、我毛香、割木香、吾紅などの文字のとおり、紅色で香りがあり、『源氏物語』中、匂宮が好んだとされる植物のなかに、菊や藤袴などとともにみられます。
根茎は「地楡」と称され、止血薬として便血・痔血・血痢・崩漏下血に効果があります。
皮膚化膿症などには、粉末を散布するか煎じた液で洗うとよいそうです。
 
 今咲き始めたばかりの花は、上から下へと順に開花します。
長くのびた幾つもの細い茎の先端についた玉が風に揺らぐさまに、しずかな動きが感じられ、いけばなでもよく用いられます。 。
花言葉には、「感謝」、「変化」、「移り行く日々」などがあります。
ここ数日の気温も朝晩は20℃を切り、季節は完全に夏から秋へと移行したようです。
この時期に目に留めるワレモコウはやはり秋を代表する植物といえるでしょう
写真写真

(掲載日:平成19年10月5日)