ホーム > 漢方・生薬について > 歳時記 > 歳時記(2007年) > 秋の七草 -女郎花を訪ねて-

歳時記


秋の七草 -女郎花を訪ねて-
 
 二年前に女郎花の黄色い花がたくさん咲いていた場所を通るとき、
黄色い花はもう咲いているのだろうか。あるいはまだ少し早いのだろうか。と気になります。

すると、黄色の花をつけた株が2株ほど見えました。
丁度、咲き始めです。これからです。

季節の移り変わりは意外に速く、誰でもが黄色の花を簡単に見つけられる日は、すぐにやって来ます。
 
 女郎花の乾燥させた根は、醤油の腐ったにおいがすることから、敗醤と称され、清熱、活血に作用し、腫れ物や、むくみなどに使われます。

 女郎花は秋の野にある七草のひとつです。七種の植物すべてに、利水、清熱、散血、解毒、去痰、止咳などいづれかの作用があります。

 秋とはいってもまだまだ残暑厳しい折、秋の七草は風情だけではなく、実用面でも有用な植物のようです。

 今から約1300年前に万葉集の中で山上憶良が詠んだ詩「萩の花 尾花 葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花」は、今でも人の心に新鮮に響きます。
写真
2006年撮影
 フジバカマなど今では絶滅が危惧されている植物もありますが、この機会に七草の花をすべて訪ねてみたくなりました。

(掲載日:平成19年9月6日)