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歳時記


緑に思う
 ゴールデンウィークが過ぎるとほとんどの農家では田植えを終え、満々たる水が張られた田んぼには小さなイネの苗が整列しています。
「今年のゴールデンウィークは、お天気に恵まれて、予定より早く田植えが終わったよ。」と皆、大喜びでした。
 
イネ
光の反射がキラキラと美しい水田を過ぎると、ムギの穂の若々しい緑の絨毯があまりにも鮮やかで、一旦、通り過ぎ、すぐに引き返してしまいました。
ムギにはオオムギとコムギがありますが、オオムギの果実「大麦(ダイバク)」は胃を和ませ、腸を寛やかにし、水を利すとされます。発芽した頴果「麦芽」は、建中湯類に配合される「膠飴」やビールを製するために必要です。
 戸外では、ハウチワカエデやドウダンツツジの緑が明るく、通りを歩けば、イチョウ型の小さな緑の葉が日ごとに増えつつあり、本当に気持ちのよい新緑の季節です。
 
 緑色は、人に調和やバランスを感じさせる特性を持つ色とされています。
自身の気持ちが安らぐだけでなく、相手にもバランスをとろうとする心理が働くようです。
 
 季節の足はとても早く、きっとすぐに暑くなり、次の緑に変わるでしょう。
そして、体温を下げることや、血流を良くすることから、麦茶やビールに人気が集まることでしょう