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歳時記


「お正月にはオモトを」
 
 オモトは、親葉から若葉へ、また新葉へと譲りつつ、外側の古葉と内側の新葉がつきることなく入れ替わり、新葉
が成長すると旧葉との間に実をつけることから、子孫相続ならびに繁栄の象徴とされる植物です。
 
 大変縁起のよい花とされ、引っ越しの際には庭に植えられたりもします。
 
 また、実が赤く成熟したオモトはお正月や婚礼などの慶事の花として、角のない水盤に1本の実を囲むように、
葉を和合させて挿します。
 
 「しまりたるは幽玄ならず、ゆるやかなるときはくだけて勢なし、緩からず、急ならず」
古くからおめでたい花として、その生け方が今に受け継がれています。
 
 乾燥した根は万年青根(マンネンセイコン)と称され、強心剤や利尿剤に用いられます。
 身近にある薬草のひとつですが、毒性も強く、気軽に使用するのは危険です。