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歳時記


つちふる(霾)
 
町全体がまるでベールに包まれたように写っている航空写真を見てびっくりしまし た。
 
中国では最大約3トンもの砂が積もり、韓国では「黄砂重大警報」が出されたと聞き ます。
 
今年は広範囲にわたって大量の黄砂に見舞われています。
 
新緑がきれいな季節なのに、レンギョウの葉も白くほこりっぽく感じられます。
 
アミガサユリ、イチリンソウ、ヒトリシズカ、モクレン、スミレの仲間は、今が盛り と咲いていますがきっと今までにない量の黄砂をかぶっていることでしょう。
 
ひとは外に出ることをためらい、窓を締め切って生活することも選べますが、 地に生える植物はそういうわけにはいきません。
 
最近では、黄砂と同じように工業地帯から排出される汚染物質もジェット気流に乗っ てやってきていると聞きます。
 
黄砂にしても、汚染物質にしても、ひとの行為が原因となり、ひとは不安に陥りま す。
 
もっと地球規模での取り組みを考えなければ。と誰もが思うことでしょう。
 
アミガサユリの塊茎(貝母)は鎮咳、去痰、排膿薬として、モクレンの花蕾(辛夷) は鎮静、鎮痛薬として処方に配合され、スミレは古くから民間的に解熱、解毒や止血 作用を期待して全草を煎じて服用されてきた植物です。