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歳時記


田んぼや土手に彼岸花
 
彼岸頃に咲くことから「彼岸花」の名があり、ちょうど今年はこの20日が秋の
お彼岸の入りでした。
昨日まで何もないと思っていた場所に、今朝には燃えるように真っ赤な花群が
出現していました。
全く気づかないうちに、高さ40cmほどのまっすぐな茎を1本立て、その頂点に
複数の花をつけています。
真っ赤で波打ち、反り返った花びらから「かがり火」を連想される方も多いようです。
 
気温が18℃〜20℃になるといっせいに咲き始めることから、古来、農事におい
ては秋の種まきの目安とされました。
 
また、「ヒガンバナ」は、地下の鱗茎にリコリン等のアルカロイドが含まれており、
有毒植物ではありますが十分な水にさらせば無毒となり、良質な"でん粉"が得られる
ことから、救荒植物として弥生時代に持ち込まれたといわれています。
 
この燃えるような赤い色には、交感神経を刺激して血液循環を促し、食欲を呼び起こ
す働きがあります。・・・食の促進は、体力の増強につながります。
 
墓場に多く咲くことから「死人花(しびとばな)」という縁起の悪そうな呼び名
もありますが、赤い花は夏季の減退してしまった体力の回復に役立ちそうだし、
地下の鱗茎は、これから何があろうと飢えだけはしの凌ぐことができそう。
(但し、よく水にさらすこと!)"と考えると今までの悪かったイメージもどんどん
よくなってきました。
イライラして怒りっぽくなり、こむらかえりなどを引き起こす原因になります。
 (20010919)