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栽培こよみ 第27回

 
 チクセツニンジン ウコギ科
 
 
 栽培こよみを担当するようになってから、園芸店やホームセンターの園芸コ
ーナーへよく足を運ぶようになりました。そこで、なにか新しいものや、珍し
いものが出ていないかな、と探すのが楽しみです。
 
 そんな中にチクセツニンジンを見つけました。鉢植えがたくさん並んでいて
大きさがほとんど同じですからきっと種を蒔いて育てたものでしょう。
市販のチクセツニンジン

  市販のチクセツニンジン
 早速、1鉢、250円也を買って帰り、根鉢を崩
さないようにして、そっと大きな鉢へ植え替えま
した。
 培養土は赤玉土の小粒と中粒に日向土の小粒
と中粒を等量混合して使っています。これにピー
トモスか腐葉土を1割ほど加えて、ほとんど
の薬草を栽培していますが、何ら問題ありません。
 
 
もし小さな苗の場合には培養土の小粒の割合をやや多くして用います。
栽培を楽しむために大切なことは、鉢の置き場と水やりの加減でしょう。
 
 チクセツニンジンは山林の下などに生えて
山のチクセツニンジン

  山のチクセツニンジン
います。やや薄暗いほどのスギ林の下で、ポツ
リと一本だけ生えているのを見つけたことが
あります。花は小さく目立たないのですが、秋
になると花のあとには赤い実を数粒つけてい
るのでその頃になると一層見つけやすくなり
ます。
 
 そこで、鉢の置き場は、木の下のような日影が良いことが分かります。その
ような環境がなければ遮光材で覆って日陰を作ります。
 最近、栽培している鉢の数が多くなったので栽培棚を作りました。パイプで
四角く枠を作って、その周りを50〜60%遮光のダイオネットで覆っています。
 栽培棚は常時遮光ネットで覆われているので、山野草の水やりはちょっと楽
になりました。
 
 
花が咲いて赤い実をつけてたチクセツニンジン

 
 肥料は緩効性の化成肥料を少量与えています。山野草
は肥料を多く与えると大きくなりすぎて山野草としての
品が無くなくなるように思います。それでいつも控えめ
に与えています。
 
写真は以前からあるチクセツニンジンの鉢植えですが、
毎年、花が咲いて赤い実をつけてくれます。
 
チクセツニンジンのようなそれほど売れないと思われ
る植物は流通量が少しなので、どこの園芸店やホームセンターに、いつもある
ものでもないと思います。しかし探せば山野草のカタログで見たこともあるし、
山歩きで何度も見ているし、それほど珍しい植物ではないようなのできっと出
会う機会があるかと思います。
 

(2010年5月1日)