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栽培こよみ 第26回

 
 コンニャク サトイモ科
 
 
 タイのチェンマイの花市場でちょっと奇妙な花に出会いました。聞くとコン
ニャクの仲間の花だそうです。熱帯の山の中で、どうしてこんな花が咲くのか
不思議です。そんなこともあってコンニャクにはますます興味が湧いてきまし
た。
 
 コンニャクはわが国でもたくさん栽培されていますが、限られた地域なので
あまり見ることがありません。それでも植え付け時期の今頃になればコンニャ
クの種芋が園芸店やホームセンターで売っていますし、種苗会社の通信販売で
買うことができます。
 今月はコンニャクを植えて、大きくなったら収穫した芋からコンニャクを作
って食べましょう。自分で育てた芋から作った、手作りコンニャクの味は格別
です。
 
 コンニャクは種芋を植えてから収穫までに
コンニャクイモ

  コンニャクイモ
3年ほどが必要なので、大きな鉢やプラン
ター、あるいは庭植え栽培が適しています。
その上、寒さに弱い植物なので寒い地方では、
秋に一旦芋を掘り上げて暖かいところで保存
して、春になれば植えるという作業が必要と
なります。
 
 コンニャクを大きな鉢で作ってみました。
栽培は、まず鉢底へ網を敷き、大粒の鉢底石を少量入れてから、園芸培養土を
七割ほど入れておきます。その中心に種芋を入れて、さらに培養土を鉢の縁か
ら少し下まで加えます。後は日の当るところへ置いて、培養土が乾けばたっぷ
り水を与えます
 やがて芋の中心から太い茎を伸ばし、その先端に大きな葉を展開しました。
その頃に緩効性肥料を少量与えます。
 コンニャクの鉢植えは鑑賞用植物としても十分楽しめます。薬局の店先に置
くと珍しがられること請け合いです。
 さて、秋になって、葉が枯れてから芋を収穫します。大きな芋の周りには小
さな芋や子指ほどの生子が数個付いていると思います。これらは来年の種芋と
して使いますから暖かいところで保存しておきます。
 
 

 
 コンニャクのつくり方
 
 材料は収穫したコンニャク芋、1Kgと市販のこんにゃくの素、1袋(炭酸ナ
トリウム25g)、水、3リットルです。それに秤、ミキサー、大きな鍋、木杓
子、計量カップ、プラスチック容器などを準備します。
 
 芋はよく洗って、皮を剥きます。そして中心の芽を大きく抉り取ります。取
り残すとえぐ味が残ることがあるからです。
泡立つまで弱火で加熱し、
 泡立つまで弱火で加熱し、
半透明になれば過熱を終えて、
 半透明になれば過熱を終えて、
形に入れて成型
 形に入れて成型
 
 芋を適当な大きさに切り、用意した水を使ってミキサーで粉砕します。それ
を大きな鍋に全部を合わせ入れて、泡立つまで弱火で加熱します。
 焦げないように木杓子でよくかき混ぜていると半透明になってやや硬くなって
なってくるので、木杓子が立つような硬さになれば加熱を終えます。
 次にあらかじめ少量のぬるま湯で溶いたこんにゃくの素(食品添加物の炭酸
ナトリウム)を少しずつ加えながらよく撹拌します。
 それを平たいプラスチック容器に入れ、ヘラで押さえるようにして形を整えて
整えてから冷えるのを待ちます。
 
こんにゃくの素

 できたコンニャクを適当に切り分けて、多量のお湯で
30分ほどゆでてアクを抜きます。1時間ほど水にさらして
できあがりです。
 薄く切り分けてわさび醤油で食べる刺身コンニャクの
味は絶品です。
 
 尚、秋の収穫の頃には量販店でコンニャク芋とこんに
ゃくの素がセットで売られていました。それを買って作っ
てみるのも面白いでしょう。
 
 

(2010年4月1日)