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栽培こよみ 第25回

 
 種から育てるハーブ
 
 
 今月は一年のうちでも園芸の作業がたくさんあって、何かと忙しい月です。
 園芸店では春植えの花苗に混じってハーブの苗がたくさん売られていました。
 その苗を買って植えてもよいのですが、今か
市販のハーブ苗いろいろ

市販のハーブ苗いろいろ
ら種をまいても十分育ちますから、今月はハ
ーブの種まきをしておこうと思います。種か
ら育てるのもまた楽しみです。
 
 一般にハーブは春に種まきをする種類が多
いのですが、地域によっては年中いつでもま
ける種類もあります。絵袋に書いてある説明
文でよく確かめてから買い求めましょう。
 
 近くのホームセンターを覘いてみたら、ハーブの種は勿論、種まきに必要な
ビニールポットや培養土などの全てを手に入れることができます。
 お好みのハーブの種や種まき用の資材は手に入りましたか。さて、次は種ま
きです。
 まず、ビニールポットの底穴から土が出ないように鉢底ネットを入れます。
次に培養土を一杯入れてからとんとんと鉢底を下に打ちつけて土を落ち着かせ
ます。すると培養土の表面がわずかに下がると思います。鉢の縁から1センチ
ほど下がったところがちょうど適量です。
 中心に棒で少し窪みをつけて、そこに種を2,3粒入れます。このとき種が
重ならないようにします。もし重なっていると不要な苗を間引くときに一緒に
引き抜くことになるからです。最近は種の品質が良くて発芽率もよくなってい
ますから多く種をまく必要がなくなりました。
 まき終えると上から種が隠れるように、薄く培養土を振りかけます。そして
ジョロで水をたっぷりかけて種まき作業は終了です。
 発芽して数枚の葉を展開するほどの大きさになれば、大きな鉢や畑に植えか
えます。
 
 このように培養土を使って種まきをしてもよいのですが、もっと便利なもの
がホームセンターにありました。ピートを円盤状に固めたものでジフィーセブ
ンという商品名で売っていましたが、これを使うと手を汚さずに簡単に種まき
ができます。
 
 
ジフィーセブン
 ジフィーセブン(左)
水に浸けて膨らませたジフィーセブン
 を水に浸けて膨らませ(中)
種をまいた
 種をまきました(右)
 
 種まきの前にこの円盤を水に浸けて膨らませておきます。鉢受けに並べて水
を入れました。すると数倍の大きさに膨れ上がって、ちょうど卵ほどの大きさ
になりました。
 
 上面の中心にある窪みの中に種をまきます。まき終えたら周りのピートで種
が隠れるように押さえておきます。これで種まきは終わりです。
 
 芽が出るまでは、培養土が乾けば水を与えるようにしてください。
 1週間もすれば、ほとんどのハーブの種は芽を出すでしょう。元気な株を1
株か2株を残して、あとは間引きます。ときどき薄い液肥を与えて、ある程度
まで苗を大きく育てておきましょう。葉が大きく成長してやがてピートの横か
ら白い根が見え始めますから、このまま大きな植木鉢や畑に植え付けます。
 
コリアンダー
  
コリアンダー
  
 写真はコリアンダーの種子をまいて、発芽した苗を畑に植えて大きく育った
様子です。
 この方法はいろいろな草花や野菜の種まきにも使えますから、苗作りにはと
ても便利な方法です。
 

(2010年3月1日)