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栽培こよみ 第24回

 
 フキとフキノトウ Petasites japonicum   キク科
 
 
 フキは地下茎を伸ばして増え、早春に土のなかから葉の出る前に出る花蕾、
即ちつぼみがフキノトウなのです。暖かくなるにつれてつぼみが膨らんで、や
がて花を咲かせます。
 
 数年前に1株、庭に植えたフキが繁茂して、今年もたくさんのフキノトウを
つけました。今頃になるとフキノトウが急に膨らんできて、春の到来を教えて
くれるのです。一番早く膨らんだフキノトウを一ついただいて、てんぷらにし
して春の香を味わいます。
 
フキノトウ
 フキノトウ
フキのつぼみ
 フキのつぼみ
 
 最近はフキノトウが出るころになると、鉢植えにしてホームセンターなどで
売られていますし、フキの苗も野菜苗などと一緒に売っているのを見かけます。
 フキは野菜として栽培されていますから、茎の部分がフキとして市場に出回
りますし、また、野生のフキノトウやフキが道の駅などで売られていることが
あります。しかし栽培する時は少々の根と芽の付いたものを植えます。
 
フキノトウの鉢植え

フキノトウの鉢植え
 フキの栽培は容易ですが、小さな鉢植えでは
難しいので、出来れば庭へ植えるか、あるいは
大きなプランターに植えます。
 庭に植えるのであれば、樹の下や半日陰にな
るようなところへ、新芽が少し見えるようにし
て植えます。
 プランターへ植える時は、まず8割ほどの培
養土を入れて、その上に芽の付いた苗を置き、
芽が少し見えるように園芸用培養土をかけます。十分に水をやり、半日陰にな
る所へ置いておきます。庭植えも鉢植えも手入れはほとんど必要ありませんが、
フキは比較的水分の多い所を好むのであまり乾燥させないようにします。肥料
は春先に化成肥料や油粕を少量与えています
 
 フキノトウの収穫は、つぼみを持ってねじるようにすると簡単に取れます。
食用にするにはまだ苞葉が開ききっていないものが良いのです。細かく切って
みそ汁に入れたり、スープに浮かべて独特のほろ苦さを味わいます。てんぷら
にするとほろ苦さが少なくて食べやすくなります。また、フキ味噌も乙な味が
して食通に好まれます。
 
 フキノトウはフキ、即ち葉柄よりもカロチンやビタミンB類、Cを多く含んで
でいます。薬用には鎮咳効果があると言われています。
 

(2010年2月1日)