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栽培こよみ 第16回

 
 涼を呼ぶ植物 八つ頭の水栽培
 
 園芸店で八つ頭の種イモが売られていた。昭和初期の古い本で、水盤に入れ
たこの植物の置物を見たのを思い出して一つ買い求めた。
 
 八つ頭の種イモにはたくさんの芽が付いていて、既に小さな葉を伸ばし始め
たところである。植物名の由来も親イモの周りに付いた小イモや孫イモからも
芽を出して、全部で一塊りとなることから来ているらしい。
 
八つ頭の水栽培
 八つ頭の原産地は熱帯地方であ
るから、生育は比較的高温で、しか
も多湿の状態を好む。わが国でイモ
の肥大が始まるのは暑い7〜8月ご
ろからで、葉が枯れるまで続く。
 栽培は至って簡単、水のたまる水
盤に入れてイモの下部が少し水に
浸かるようにするだけである。
 園芸店で水栽培用の色の付いた
砂利の培養土が手に入れば、周りに入れておくとイモの座りがよくなり、きれ
いに見える。
 八つ頭の大きな種イモは直径が20センチ以上もあって、大きなイモほど置
物にしたときに見栄えがする。
 
 栽培にあたって注意しなければならないことがある。室内の置物ではあるが、
よく日に当てないと葉が徒長して乱れるから、置物として見苦しくなる。そう
かといって、真夏の日光は強すぎて葉を痛めるから、適当に管理しなければな
らない。また、水をたくさん食うようであるから、常に水切れにならないよう
にする。八つ頭は水に対して抵抗力があるから、根がいつも水に浸かっていて
もよく育つ。
 
 サトイモの仲間である八つ頭を畑で栽培すると草丈は相当大きくなるが、イ
モは粉質で味がよく、高級食材となる。
 

(2009年7月1日)