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栽培こよみ 第3回

 
 空芯菜 Ipomoea aquatica ヒルガオ科
 
 
 テレビを見ていたら新商品として「あさがお菜」を紹介していた。葉の形や茎が空洞になっている
という説明からも空芯菜であることがすぐに分かった。
 
空芯菜なら古くから日本にも入っていて、昔の
空芯菜
栽培書にも載っているから、別に新しいもので
もないが、今までにない名を付けて売り出す手
も商法なのだろう。
 空芯菜はヨウサイやエンサイとも呼ばれてい
て、アサガオと同じ仲間であるから、熱帯では
アサガオのような花が咲いているのを見ること
がある。タイではパップン、マレーシア、イン
ドネシアではカンコンと呼び名は違ってもみな
同じ植物、東南アジアを旅行したときに大衆食
堂であれば大抵のところで食べられる。
 
 空芯菜は熱帯の植物だから15度以上の温度さえあればいつでも栽培できる。
空芯菜
 畑でも鉢植えでもプランターでもよし、土は畑
土でも市販の培養土でもよい。種をまいて1週間
もすれば発芽してくる。原産地では湿地のような
水の多い所に繁茂しているから、空芯菜は水分を
好む。たっぷり水を与えよう。伸びた新芽を切り
取ると節から新しい芽をどんどん伸ばしてくる。
時々液肥を与えて成長を促す。播種後30日もあ
れば収穫できるだろう。空芯菜は挿し芽で増やす
ことができるから、伸びた芽を、あるいは八百屋で
売っているものでも苗として植えることができる。
 食品成分表を見るとカロチンやビタミン類が多くて、ホウレンソウなどに負けない栄養成分が
含まれている。便秘を改善し、また神経症に対してもよいと本には書いてあった。
新芽を摘み取りニンニクなどと油で炒め、香辛料で味付けして食べるのがおいしい。
夏の野菜が少ない時は重宝する。


(2008年8月1日)