栽培技術の発達で、最近は一年中出回る食材も多くなっています。しかし、屋外で栽培する果樹は出回る時期が限られています。夏の果物としては、桃(モモ)もその中の一つです。6月から8月にかけて、スーパーにはいろいろな品種の桃が出回ります。果肉の白いものと黄色いものがあり、また皮に毛があるものや無いものがあります。桃には、甘い果汁がたっぷりと含まれており、夏の美味しいデザートです。

モモはバラ科 Prunus 属の植物で、実に核があることが特徴の「核果類」です。核の中に種子があり、これが生薬「桃仁」として、多くの漢方処方に配合されます。Prunus属植物の仲間には、他に、スモモ、アンズ、ウメなどがあり、プルーン(セイヨウスモモ)もその中に含まれ、それぞれ実に核があります。

プルーンというと、外国産のドライフルーツがよく知られています。これは核をのぞいた実を乾燥したものです。プルーンは鉄が多く含まれるイメージがありますが、他にもカリウム、カルシウムなどがあり、ドライフルーツにすると摂取する量がかなり増えます。

プルーンは、近年は、日本でも栽培されており、7~9月にかけて多くの品種の生果が市場に出回ります。皮は青紫色で実は黄褐色です。そのまま食べても酸味があって美味しいです。モモとは異なり、核は可食部から離れやすい特徴があります。またプルーンの生果を加熱して砂糖を加えてジャムにすることもできます。途中で核を取り出し煮詰めると甘酸っぱいジャムができます。

プルーンの実は、食物繊維、ソルビトールが豊富で、食べ過ぎるとおなかが緩くなることがあるので注意が必要です。