お茶は、新しく伸びた葉や茎を使用している。昔は“びく”と呼ばれる籠を手に持って、葉の先端部分をつんでいたが、今は機械で、この部分を刈り取っている。近年では紅茶を作ることが増えてきたが、緑茶も紅茶も同じ葉に由来することから、成分的には、ともによく似ている。飲みすぎると、カフェインと似た構造をもつテオフィリンを含むため、夜に眠れなくなるため注意が必要である。中国やベトナム、インド、スリランカなどが、産地として有名であるが、日本では静岡県や鹿児島県など暖かいところで収穫される。
抹茶を作る際には、寒冷紗などで覆って、うまみ成分であるテアニンを多く作る必要がある。この茶葉を蒸して、加熱することにより、酸化反応を止めてから粉末化して抹茶とする。
現在、世界的に抹茶ブームである。日本でブームになったのは、ある会社が1996年に抹茶をアイスクリームに入れたことがきっかけである。この他に、ヨーロッパの人たちは日本文化へのあこがれからか、抹茶を食し始めた。また、アジアの人たちは甘くて冷たいものに抹茶を加え、また、北米の人たちは、コーヒーの代わりとして、またパワーフードとしてとらえている点で、地域ごとに若干の差異がある。抹茶は全世界で年間8,500トン余りが消費されている。
抹茶文化は京都で始まったものの、長い間その地で使用されるにとどまっていた。京都では抹茶を作っている家では製造方法を知られたくないために、奥さんを他の地域から迎えることを控えたと言われている。