イチゴは、ショートケーキ、パフェ、ジャムなどに、広く用いられます。本来、ショートケーキのショートとは短いわけではなく、サクサクしたクッキー生地を表しています。使用されるイチゴは色、つや、そして甘酸っぱさが重要です。

現在のところ、栃木県で栽培している「とちおとめ」と福岡県を中心に栽培されている「あまおう」の2種類が、2大勢力として用いられています。現在までに、全世界で600種類ぐらい作られていますが、そのうち日本では、約半数の300種類が作られたと言われています。日本で、今から100年ぐらい前に初めて作られた品種は「福羽(ふくは)」といいます。一方で、近年は、日本で作成された品種が海外で栽培され始め、イチゴが逆に輸入されるようになるなど問題となっています。

私たちがよく食べている赤い部分は、植物組織学的に花托(かたく)が大きくなったもの(偽果(ぎか))といわれています。また、イチゴの表面のつぶつぶは実で、その中に種子があります。

イチゴは、親株を中心としてランナーと呼ばれる糸状のものを介して次の子株と結ばれています。ランナーで増えた子株が新しい苗になり、同じ性質をもった偽果が収穫できることになります。一方、種子で栽培すると、性質が異なるものができやすくなるため、偽果の大きさや形、色、つやの異なるイチゴができます。