2024年7月3日から、新しい紙幣が流通することが決まっています。前回の紙幣が発行されてから、約20年で新しい紙幣を発行するのは、偽造対策の強化があげられます。また、紙幣の原版は手彫りでつくるため、前回作った人の技術を継承することも理由のひとつに上げられます。

今回の変更点はいくつかあります。まず、表面の数字が、これまで漢数字で書かれていましたが、外国の人を含めて多くの人にわかりやすいように、英数字に変更になりました。また、3Dホログラムを世界で初めて紙幣に使用することにより、偽造防止が図られています。また目の不自由な人が紙幣を識別するためのマークが変更になっています。

表面の肖像は、一万円札は福沢諭吉から、日本近代社会の創造者と呼ばれる、渋沢栄一へと変更になり、五千円札は樋口一葉から津田梅子へと変更になり、千円札は野口英世から北里柴三郎へと変更になっています。裏面には、一万円札は東京駅、五千円札はフジ(藤)、千円札は冨嶽三十六景(神奈川沖浪裏)が描かれています。

日本の紙幣の原料には主にミツマタが使用されています。紙をすくときには、ミツマタの枝の外皮の黒っぽい部分を極力取り除いて用いられます。ミツマタで作った紙は曲げたり、折ったりしても破れにくく、耐久性があるという特徴があります。

ミツマタは、枝が三つの又に分かれるのが特徴で、そのことが名前の由来です。花は3~4月に、葉が出る前に、枝の先に咲きます。黄色く見える小さい花が集まって球状にぶら下がっているように咲きます。