新型コロナウイルス感染症の治療に関する公費を使った支援は2024年4月をもって大きく変わることが決定しました。まず高額な治療薬は通常の医療費の自己負担額と同様となりました。また、入院費に関しては高額療養費制度の適用のみとなりました。
さて、近年日本近海に理由は定かではありませんが、マッコウクジラが集まる傾向にあります。今年も大阪湾でマッコウクジラが見つかりました。この今回のマッコウクジラは、陸に上げて広い場所で解剖調査がおこなわれることになり、その後骨格標本として博物館に所蔵される予定です。
「龍涎香(りゅうぜんこう)」は、マッコウクジラ科 Physeteridae のマッコウクジラ Physeter macrocephalus L. の腸結石からなります。本品は蝋状物質のため、火で熱した銅線や鉄線を近づけると溶けるという性質をもっています。
近年海の中を浮遊するプラスチックが問題となっていますので、プラスチックも熱した銅線で溶けることから、龍涎香と間違われることがあります。熱した銅線で溶けるなどの抽象的な判断ではなく、含有される成分分析が必要となります。今後の研究に期待したいと思います。
龍涎香は本草書の『本草綱目』に、龍の涎(よだれ)として書かれています。龍(空想上の動物)の涎としていることから、作者の李時珍も龍涎香の基源についてはわからなかったのかもしれません。