今年の春節は2月10日です。春節とは中国の旧正月のことです。この日をはさんで前後約40日間は、大勢の人が故郷への帰省や旅行で移動する「春運」が起こります。近年は海外旅行も盛んで、新型コロナ感染症が流行する前は、多くの人が日本を訪れ、観光地の混雑、爆買いなどが話題になりました。日本では、今年は4年ぶりに中国からの観光客の増加が期待されています。

中国の春節の過ごし方としては、大晦日に当たる日の晩に、家族が集まり、皆で食卓を囲みます。中国では餃子は縁起が良い食べ物とされており、おもに北方の人たちは、皆で餃子を作って食べます。また、年越しの際には、花火や爆竹が鳴らされます。家には「春聯」という、赤い紙に縁起が良い言葉を書いたものを貼ります。「福」という字を書いた紙を上下逆さまに貼ると、福に恵まれるとされています。

春節に飾る植物としては、キンカンが知られています。南方の広東などでは、建物の入り口に、対になるように鉢植えを飾るとされています。キンカンの発音が、幸運と財力を意味する言葉の発音と同じであることから、幸運と富をもたらす縁起の良い植物として好まれるようです。

日本では、キンカンは、1月から3月にかけて旬を迎え、買い物に行くとこの時期によくみかけます。キンカンの実は皮に甘みがあり、皮のついたまま丸ごと食べることができ、また、甘く煮て食べることもあります。民間療法的に、風邪や咳に、実を煎じて砂糖を入れて飲むのが良いとされ、のどの痛みもよくなるといいます。