謹賀新年、おめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。
コロナウイルスが第5類に分類されるようになって、サッカーなど各種運動競技でも声をだしての応援が4年ぶりに可能となりました。
今年の干支は辰(龍/たつ)です。方位を表す四神の中で、青龍は東を意味し、生薬としては、麻黄のことを指します。麻黄は発汗作用を期待して使用します。また、龍のあごの下に逆さに生えた鱗を逆鱗(げきりん)といいます。この逆鱗に触れると龍が怒ってしまうという話があります。そのため龍の逆鱗には触れないほうがよいでしょう。龍すなわち目上の人の怒りをかわない一年にしたいものです。
さて、大根の美味しい季節になりました。おでんの具として、また大根おろしを作ったり、そのしぼり汁を用いてそばを直接食べたりすることもあります。生のしぼり汁には消化酵素であるジアスターゼを含んでいます。ジアスターゼを含む大根のしぼり汁には、デンプンを消化する作用があるので、胃もたれにはよいと思われます。
ジアスターゼに関することは、夏目漱石の『吾輩は猫である』にも書かれています。主人公の猫が住み着いた家の先生が、胃痛と消化不良のために「タカジアスターゼ」を服用する場面があります。タカジアスターゼは、高峰譲吉博士が開発した薬です。
ダイコンはアブラナ科に属し、薬用部位は、根、葉、種子のいずれも使います。健胃薬、鎮咳薬、去痰薬とします。大根の種をライフクシ、ラブシなどといいます。なお大根役者とは、大根を食べてもあたらないことから、そのことが転じてどんな役をやってもあたらない「大根役者」として使われます。