インフルエンザは、この数年間流行しなかったためか、今年になって、10月、11月と早い時期から患者数が増えています。年末年始にかけてさらなる感染拡大が懸念されますので、一層気を引き締めて感染予防対策が必要です。
冬になり、今年もこの時期ならではの食を味わうのが楽しみです。鰤(ブリ)は冬に旬を迎え、脂がのって美味しくなります。今年は暑い日が続き、海流の流れが変化したためか、北海道でもブリが取れたそうです。
ちまたでは「寒ブリ」という言葉がはやっていますが、本来、「寒ブリ」という言葉は、山の方で用いる、いわゆる山言葉であり、海の近くで用いる海言葉ではないということを聞いたことがあります。「寒ブリ」という言葉が使われだしたのは、北陸地方の富山とのことでした。昔は、歩いて、富山から山々を超えて、飛騨方面の高山までブリを運んだそうです。この時、正月に向けて富山を出発し、寒の入りのころ、飛騨高山に到着したことから、「寒ブリ」という言葉を使うようになったのが始まりとのことでした。
寄生虫のアニサキスの問題もあるので、当時はブリを焼いたり、煮たりして美味しく食べたことでしょう。近年は、ブリの刺身やブリのしゃぶしゃぶなど、より生に近い状態で食べる方法がはやっていますが、これには冷蔵技術の発達が大きく関与しています。
北陸地方では、11月末ごろから12月に、強い風が吹き、雷が鳴り響く日があります。この頃に鳴る雷を「ブリおこし」とよびます。美味しいブリが取れる季節のはじまりを知らせるこの雷を人々は心まちにしています。