まだ夏の終わりだというのに、インフルエンザに感染する人が増えています。新型コロナウイルスにも共通しますが、手洗い、うがいの励行が同様に必要です。

さて、今年の夏は暑かったですが、季節は秋になりました。奈良では、鹿と人間が共存しているのが有名ですが、雄の鹿の角切りの季節となりました。

鹿の角は毎年生え変わりますが、薬として用いるのは春先に伸びてくる袋角です。袋角の断面は血が通っていることから、春先は赤黒いですが、秋になって切る鹿の角は鹿角(ろっかく)といい、鹿角は、神経や血が通っていないことから、その色は白っぽい色をしています。鹿角は冬になると自然と抜け落ちます。

袋角は「鹿茸(ろくじょう)」として、強壮、強精、鎮痛に用いられます。鹿角(ろっかく)の使い方としては、すり鉢で薬を細かくする際に、すりこぎとして使うこともあります。

夏から秋にかけて繁殖期を迎えると、雄の鹿は木などに角の先端部分をこすりつけて、鋭くします。そのため、人間がけがをするなどの事故が起こらないように、角切りをします。角を切る際に、鹿を捕獲する方法として、鹿の習性を利用します。鹿は横断幕など長い布の障害物をみるとその布をよけて直線的に走るため、ある一か所で待ち伏せをして捕らえます。

約3年間続いたコロナウイルス感染拡大による行動制限のために、奈良の東大寺付近では、鹿せんべいを買う観光客が激減したため、食べるものが減り、その結果、やせ細る鹿が増えたそうです。