新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ変更されてから2か月になりました。最近は新規感染者数がやや増加傾向にあり、第9波の到来が懸念され、その猛威は続いています。
さて、今回のテーマの植物は、大航海時代にヨーロッパ、アジア、そして日本、世界へと伝播した植物です。この植物の原産地はアンデス地方で、世界4大作物の一つであり、主食にも野菜にもなるイモ類の代表格です。6から7月にかけて、花を咲かせ、品種には2大品種として、メークインと男爵が有名です。さてこの植物は何でしょうか。答えはジャガイモです。
ジャガイモの食用となるイモの部分は茎に由来し、地下の茎が丸く膨らんだもので塊茎と呼ばれます。茎に由来するため、芽の部分が一つでも残っていれば、イモを細かく切っても、植えれば生えてきます。一方、サツマイモのイモの部分は根に由来し、茎の性質をもたないために、植えるときに切ってしまうと生えてきません。サツマイモは苗を育てて、それを植えます。
ジャガイモは薬用としては、民間療法的に、イモをすりおろしたものをのどの痛み、とびひ、やけどに外用するとよいとされています。
また、ジャガイモのイモにはデンプンが豊富に含まれています。ジャガイモのデンプンは生薬「コウイ(膠飴)」の原料にもなります。膠飴は米などのでんぷんを糖化したもので、小建中湯、大建中湯などの漢方処方に配合されます。日本薬局方「コウイ」はイネの種子の他、ジャガイモ、トウモロコシなども規定されています。