新型コロナウイルスによる感染拡大は、日本で第8波を迎えています。治療薬が新規に承認されるという前向きなニュースもありますが、一方で、解熱薬などの供給が不足していることも問題となっています。
さて、11月の中旬ごろに、アツバキミガヨラン Yucca gloriosa L.の花が咲いているのをみかけました。この植物は、葉は先端が尖った剣のような形で、その葉が地面のあたりで多数密集して放射状に生えます。密集した葉の間から、高さ2mほどの茎が伸びて細かく枝分かれし、その枝先に多数の白い大きな鐘形の花を咲かせます。リュウゼツラン科の植物ですが、数十年に一度開花し、話題になるリュウゼツランとは異なる植物です。
リュウゼツランの仲間は、お酒の原料として使用されることもよく知られています。メキシコ特産の蒸留酒であるテキーラは、メキシコのテキーラ火山のふもとで栽培されているリュウゼツラン科の植物の根茎が原料です。テキーラのアルコール度数は、約40%とかなり高いことが有名です。
テキーラの製造方法は、先ず、鋭い刺状の葉をスコップなどで根茎と切り離します。この根茎部分はでんぷんを多く蓄えています。この部分はその形がパイナップルに似ていることから「ピニャ(パイナップルの意味)」と呼ばれ、大きいものは50㎏もあります。次に、このピニャを半分に切り、圧力をかけながら24時間蒸し上げます。この間にデンプンが糖分に変わります。これを水とともに細かく砕いて絞り、さらに絞り汁を発酵させます。気温によって、24~72時間程度発酵させ、これを2回蒸留することによりテキーラができ上がります。