新型コロナウイルスによる感染拡大は、一時期減少傾向にあったものの、第7波を迎えて、日本国内の感染者数は全国的に増加し続けています。また、新たに「サル痘」と呼ばれる聞きなれないウイルスにかかった患者が日本国内でも見つかりました。
さて先月に引き続き、蜂蜜についてのお話です。蜂蜜は生薬として、「石蜜」の原名で『神農本草経』の上品に収載され、その後の『神農本草経集注』には、「石蜜」について、「崖蜜のことである。高山の岩石の間にできる」と記載されています。このことから蜂蜜はもともと自然にできたものであることがわかります。
養蜂を行う前は、この自然の蜂の巣から蜂蜜を採取していたことでしょう。ネパールでは今でもワイルドハニーとして、崖の中腹にできた自然の蜂蜜を採取しています。ネパールでは多くの人がヒンドゥー教を崇拝しますが、ヒンドゥー教の中では、崖の中腹部分は神聖な場所であると考えられています。そのため、靴などは履かずに素足で蜂蜜を取りに行きます。崖の上部からロープを使って人間が降りていき、その途中で蜂の巣を棒のようなものでさして取ります。このときロープが切れてしまい、人も落下する恐れがあるそうです。やっとのことで取った蜂の巣は、手で絞って蜂蜜を取ります。この蜂蜜は、周囲に生えている自然の花々から蜜を集めるため、いわゆる百花蜜に相当し、粘りが少なく比較的さらさらしているそうです。