新型コロナウイルスによる感染拡大が止まらない状況にあります。うがい、手洗い、マスクの装着など、私たちが個人で努力すべきところで感染拡大が押さえられるステージは過ぎたともいわれています。

さて、今年は例年以上に、クマの出没が問題となっています。昔から、クマの生息地である山中でクマを見かけることはありました。しかし、近年のように、クマが人間と平地で出会うことは少なかったはずです。日本では過疎化がすすみ、これまでクマが住む奥山と住宅地を隔てる防波堤の役目をしていた里山が荒廃し、柿が実っても、採られないまま樹上に放置されている状況があります。山の中で、クマの食料となるドングリが不作であることで、そのような柿などの作物を求めてクマが山から下りてきてしまうようです。以前は、クマの方も人間を怖がって人里には近づかなかったのですが、最近は、人間に出会っても怖がることのない、いわゆる新世代のクマが出現したのだとも言われています。

通常クマを捕獲した場合、生薬とされる熊胆(ユウタン)の他、毛皮、そして熊の肉の3部位がほぼ同額で取引されています。しかし、柿の木に上って柿を食べたクマの熊胆は、小さいため売り物にはならないと言います。その時に食べていた柿を消化するために使用されてしまいます。同じクマの命をいただくのであれば、冬眠明けの大きな熊胆を持つクマを利用させてもらうのが効果的であるといえます。