新型コロナウイルスによる感染拡大は世界規模で広がっています。日本では景気後退も大きな問題であり、今まで東京発着を除いて行われてきた Go To トラベルキャンペーンに、10月から東京も追加されることになりました。

さて、暑い時期がすぎ、爽やかな秋が到来し、過ごしやすくなってきました。秋になったことを感じさせてくれる植物に「秋の七草」があります。その中の一つとしてキキョウ科のキキョウ(桔梗)が知られています。キキョウの花は、主に7月から9月ごろに咲き、中には11月中旬まで長い時期にわたって咲くものもあるようです。

キキョウの花は、家紋のデザインに使われることも多く、今年の大河ドラマの主人公である明智光秀の家紋は、キキョウの花に由来しています。

キキョウの根は生薬「桔梗」として薬用にされます。桔梗は、ウコギ科に由来する朝鮮人参と外部形態がよく似ており、そのことから、しばしば安価な桔梗が朝鮮人参の偽品として流通したこともあるといいます。一方、近年の韓国では、20年以上栽培されたキキョウの根が、栽培の朝鮮人参よりも高価な場合もあるようです。

また、韓国で野生の人参を探していると、キキョウ科のツリガネニンジンやツルニンジンなどの植物が見つかることがしばしばあります。これらの植物の根が朝鮮人参と間違われることもありますが、生息場所が似ていることも、朝鮮人参と間違えてキキョウ科の植物が用いられる要因の一つになったのかもしれません。いずれにせよ、いつの時代も真偽を鑑別できる眼を持つことは必要です。