暑かった夏も終わり、収穫の秋がやってきました。今年は大きな台風の影響により、長野県にも甚大な被害がもたらされ、収穫前の木になっていた多くのリンゴが落下してしまいました。落ちてしまったリンゴはそのままでは食するには適さないため、ジュースやジャムなどの加工品になるそうです。リンゴはブドウやモモとともに温帯を代表とする重要な果樹です。

現在日本で栽培されているリンゴは、文久年間(1861~1864年)の頃に、欧米諸国より導入されたセイヨウリンゴで、それ以前に中国から導入され長い間日本で栽培されていたワリンゴは現在ではみられません。

リンゴの赤い果実は、2つの部分が組み合わさっています。リンゴを中心部分で縦に割ると、種がある部位の近くに線が認められます。この線で示される領域までが本当の果実部分です。その周りの普段食する部分から赤い皮の部分までは、花たくとよばれる部分が果実に癒合した付属物です。したがって、普段食している部分が花たく部分で、食べ残してしまう中心部分が本当の果実部分となります。ここまで食べる人は少ないと思われますが、いつの日か食べるものが少なくなったときを想像して本来の果実である中心部分まで食べてみるのはいかがですしょうか。

リンゴは欧米諸国で古くから知恵や不死、美貌などの象徴として神話や伝説に描かれています。リンゴの果実にはリンゴ酸やクエン酸、糖、ペクチンなどの食物繊維などが含まれているため、胃腸の調子の悪い便秘の時に、リンゴをそのままか、またはすりおろしたものを食すことがあります。