暑かった夏も過ぎ、日に日に涼しくなってきています。今年もキノコが美味しい季節となりました。マツタケは、庶民にとっては高嶺の花として、食卓にのぼることが少ないキノコです。食卓にのぼったとしても、非常に薄くスライスされたマツタケが料理に使用される姿をテレビで見かけることがあります。

マツタケがこのように貴重なものとして取り扱われる理由として、栽培化を試みたにもかかわらず、長い間、成功しなかったことがあげられます。しかし、近年になってマツタケの栽培化が試みられています。自然界でマツタケが生える仕組みとしては、まず、アカマツの木の根元にマツタケの胞子が落ち、その胞子がアカマツの根に着くことにより、マツタケの菌糸が生じます。この菌糸が広がり、シロと呼ばれる菌糸体になります。このシロを取って、樹齢20~30年のアカマツの根に寄生させることにより、秋になって地上部にマツタケができる確率を高くしているそうです。

「香りマツタケ味シメジ」の言葉があるようにマツタケの香りは格別なものとされています。マツタケは中国雲南省でも野生品が採れます。今から20年ほど前に雲南省の首都の昆明でこのマツタケを食べる機会がありました。かさの部分が破れるなどした、少し見栄えのよくないマツタケでしたが、喜んでお腹いっぱいに食べたことがあります。その時はマツタケの味も香りも知ることなく、このようなものかと食しましたが、翌日には下痢をしてしまいました。後日わかったことですが、マツタケのほとんどが繊維質からなるそうです。お腹いっぱいに繊維を食べたことになるのですから、下痢をして当然の結果だったものと思われます。