新米が出回る季節になりました。9月に流通する新米は、8月に穂が出て、9月には刈り取られる早稲(わせ)品種で、早くに成熟します。お米は、日本では広く主食とされ、お米にして食べる粳(うるち)米と、餅を作るのに用いられる糯(もち)米とに大きく分類されます。粳米には、コシヒカリやササニシキ、ヒトメボレ等の多くの栽培品種が生み出されています。

収穫時期の違いから、早稲(わせ)、中稲(なかて)、晩稲(おくて)に区別されます。その年の天候にも左右されますが、春先に種を撒き、苗を作ります。日本各地で時期は様々ですが、ゴールデンウィーク前後から田植えをして、成長した苗を田んぼに植えます。お米の収穫は、9月上旬から10月中旬頃まで行われます。今年も美味しい新米を味わうことができる日が楽しみです。

ところで、立春から数えて210日目を二百十日といい、現在では9月1日ごろにあたります。この時期は台風の襲来などがあり、このことから、イネを風害から守るために、祈りをささげる祭りなどの風習が各地にあります。富山県八尾市の「おわら風の盆」もこれにあたり、毎年9月1日から3日間行われます。おわらの踊りには、種蒔き、稲刈りといった農作業を表現する動作がもりこまれています。

なお、お米に由来する生薬には、粳米(こうべい)があります。麦門冬湯、白虎加人参湯、竹葉石膏湯などの処方に配合されて用いられます。