ヘチマは、葉が大きく、蔓(つる)が丈夫で長く伸びるため、夏の日差しを遮るグリーンカーテンに適した植物です。ヘチマはウリ科のつる性の一年生草本植物で、蔓にある巻きひげで、他の植物などに絡みついて伸びて広がります。葉の形は掌状で5~7裂し、葉身と葉柄の長さはほぼ同じで約20~30cmと大型です。一つの株に雄花と雌花の両方がつき、初夏から秋口まで見ることができます。
果実は、若いうちはまだ軟らかく、野菜として食べることができます。成長した果実は、長さ30~100 cm、太さ7~14 cm程の大きさの円筒形になります。成熟するにつれ、内部の繊維は発達し、丈夫なスポンジ状になっていきます。成熟した果実を水に浸し、果皮と果肉を腐らせて、これらの腐った部分を洗い流して乾燥させると、スポンジ部分のみが残ります。このスポンジ部分は食器洗いや入浴時のたわしに利用します。
ヘチマの蔓を地上30 cm程度のところで切断すると、切り口から液体がにじみ出てきます。切り口を瓶などに刺しておくと数日で500~2000mlの液体が溜まります。これが「へちま水」で、主に化粧水として使用されます。この液体には鎮咳、利尿の効果もあるとされます。
ヘチマと同じウリ科植物で、美容に利用するものには、キュウリがあります。スライスしたものを顔の上に張り付けるキュウリパックは、日焼けした肌の熱を冷まします。ウリ科の仲間は、この他にもカボチャ、メロン、スイカ、トウガンなど、夏場に食用とされるものが多くあります。利尿作用をもつものが多く、身体にたまった過剰の熱を尿として体外に放出しているものと考えられます。