平成27年(2015年)の干支を表す動物には、十二支の8番目のヒツジがあてられています。ヒツジは地表の若い草を好んで食べる動物で、紀元前から家畜化され、世界各地で飼育が行われています。ヒツジからは保温性に優れた羊毛がとれるため、人間の生活には欠かせない動物となっています。

ヒツジの肉は、中国医学では身体を温める作用が強いものとされています。羊肉は古くからヨーロッパやアジアで重要な食肉とされてきました。生後1年未満の子羊の肉をラムといい、成長した羊の肉はマトンと呼んで区別しています。脂に独特の匂いがあり、日本人はその匂いが気になる人が多いようです。

日本では羊肉の料理というと、ジンギスカンのように焼いて食するのが一般的です。モンゴルでは、焼く調理法よりも、水で煮た肉を食べることが多くあります。また中国の北京では、羊肉のしゃぶしゃぶが名物料理となっています。

モンゴル人の多くは日本人と比べるとあまり野菜を食べません。その理由を聞くと、「ヒツジは地面から生えてくる植物を食べている。その動物を食するので人間は植物を食べなくてもよい」という答えが返ってきます。モンゴル人に結石が生じることが多いのは、このような独特の考えに基づく食習慣のためかもしれません。野菜を含めてバランスよく食することが健康のためには良さそうです。