トウモロコシは代表的な夏野菜として知られています。おやつにゆでたものを食べたり、祭りのときに焼きとうもろこしを食べたりと、夏の味として、子供から大人まで人気があります。

トウモロコシは、日本では野菜として食べるのが主流です。しかし、原産地とされる中南米をはじめ世界各地では、穀物としての利用が多く、製粉したものをパンのように焼いて食べています。なかでも、メキシコのトルティーヤは有名です。その他にも家畜の飼料として用いられ、また近年では、バイオエタノールの原料として注目を集めています。

トウモロコシ(写真:トウモロコシ)

トウモロコシの花は夏に開花します。雄花と雌花が分かれており、雄花が集まった雄穂は、茎の先端にススキの穂のようにつき、雌花が集まった雌穂は茎の節につきます。雌穂が生長したものがトウモロコシとして食用となり、その先端から茶褐色の毛がたくさん出ています。この毛は、長く伸びた雌しべで、子房の数(粒数)と同じだけの本数があります。

この雌しべは、「なんばの毛」という生薬名で知られており、利尿作用があります。薬用としての知識は、トウモロコシを古くから栽培していた南米、北米の原住民によって開発されたものであろうといわれています。韓国では、この雌しべや炒った実などを煮だした「とうもろこし茶」が、お茶として日常的に飲まれています。このお茶は、ペットボトル飲料としても売られており、人々に親しまれています。