人家の庭に、笹に似た葉で、明るい紫色をしたランの花が、群がるように生えている。

その様に、なつかしさを覚えました。

我が家では二十年ほど前の建て替えによって、その紫色のシランの群落を見ることができなくなりました。
以前は売るほどたくさんあり、「この花、何?」、「知らん。」、「そうシラン。」といった会話が子供の間でよくされました。

今では、4,5年ほど前に植えた白花のシラン一株が数株に増えたものの、庭の片隅に楚楚とあるだけです。今年も控えめな白い花をつけています。

シランの地下部は白及(ビャクキュウ)と称し、秋に掘りあげた塊根の茎やひげ根を除き、白芯がなくなるまで蒸した後、外皮を除いて乾燥します。止血、消炎、排膿効果があり、いくつかの処方に配合されます。

民間的には、ひび、しもやけ、あかぎれ、やけど、切り傷などに、乾燥させた根茎の粉末を水やごま油で練って塗ります。生の根をすりつぶしたものは粘着力が強く、ひび、しもやけ、あかぎれにはより効果的であるようです。

今年は是非、その効果を試してみたくなりました。まだまだ先の話になりますが・・・・・。