お正月になると床の間に飾る鏡餅は、もともと五穀の豊年を祈る神様である年神様に奉納したお餅のことで、丸いお餅は「三種の神器」の一つである「鏡」を表し、橙は「玉」を、干し柿は「剣」を表しているともいわれています。

二段重ねの餅の上に載る橙は実が育っても木から落ちないことから、代々家が没落せず栄えるようにとの願いが込められているそうです。

かつて、寒い冬空に、まるで取り残されたかのように木の上にあったオレンジ色の丸い果実を思い出しました。

また、鏡餅を床の間に飾るとき、丸いお餅の上に丸い橙を飾るのは、「据わりがわるくて大変」と思ったことがありませんか。

しかし、簡単に転げ落ちさせてはお家の一大事です。上手に飾る工夫が必要ですね。

乾燥した橙の皮は「橙皮」と称され、芳香性苦味健胃薬、駆風薬、香味薬として、消化不良、胃腸炎、二日酔などに応用される生薬です。