レモン ミカン科

 レモンがたくさん出来たからと言って、一つ頂いた。いつも見慣れた黄色でなく、ほん
のり緑色が残ったきれいな色のレモンであった。近所で栽培できるのであれば、わが家で
もできるのではないかと、早速レモンの木を買い求めた。
 
収穫前のレモン
 収穫前のレモン
  レモンの原産地はインド地方であるから、
比較的温暖な気候が適地である。しかし、
一時であれば-3℃程度までなら耐えられる
らしい。実際、わが家でも年間には何度か
マイナスの気温になるが、立派に実をつけて
育っている。もし寒い地方であれば鉢植えに
して冬の間だけよく日の当たる室内や、軒下へ
移動するとか、寒冷紗などで木を覆ってやれば
多分冬越し出来るだろう。
 今頃になると、いろいろな果樹苗がホームセンタ 市販のレモンの苗木
 市販のレモンの苗木
ーや園芸店で販売されている。レモンにしても、最
近はたくさんの品種があるが、一般に流通している
ものは単にレモンとラベルが付いたものが多く、正
確な品種が分からない。もし品種にこだわって栽培
したいのであれば、果樹苗専門店や通信販売で手に
入れることができる。
 買うときは、葉が多く、色が緑色で接ぎ木した部
分が良く活着しているよい苗を選ぶ。早く果実を収
穫したいのであれば棒苗でない、たくさん枝分かれ
した大きな苗を選べば良いが、値段が高い。
 
 植え付け時期は秋か春頃が良いのだが、鉢植えの
苗で根鉢を崩さないようにして植えるのであれば
いつでもよい。
 植える場所は、水はけがよく、日当たりの良い所を選ぶ。場所が決まれば直径と深さが
50㎝ほどの穴を掘り、掘り上げた土に1~2割ほどの腐葉土か堆肥を混ぜて置く。
 次にその土を埋め戻して、苗の接ぎ木した部分が地表に出るように配置して、培養土を
入れて行く。 
 株の周りをよく踏み固めて、さらに風などで木が動かないように支柱を立てて、それに
縛っておく。麦わらや枯草を株の周りに置いて乾燥を防ぐようにするのもよい。
 
 肥料は、暖かくなれば骨粉入りの油粕を一握り程与える。レモンは肥料を好むようで、
2か月に一度は緩効性化成肥料を木の大きさに応じて適量与える。
 鉢植えにするときは、8号から10号程度の大きな鉢へ植える。まず鉢底ネットを敷き、
少量の鉢底石を入れる。市販の園芸培養土を少量入れてから、苗の接ぎ木した部分が土の
表面に出るように配置し、さらに培養土を加えて行く。鉢底をトントンと下へ打ちつけて、
土を落ち着かせる。そしてたっぷりと水を与えておく。
 肥料は暖かくなったころに、骨粉入りの油粕や化成肥料を与える。
 
 庭植えも鉢植えも1年目はほとんど何の手入れも要らないが、2年目からは重なった枝
や伸びすぎた枝の剪定をする。長く伸びた枝は3分の1ほどを切戻すと短い枝がたくさん
できて、そしてその先端部分に実が付くようになる。
 
 レモンは受粉用の木を必要とせず、1本の木だけで実を付ける。春には薄紫色の花が咲
き、とてもいい香りがする。やがて小さな実はだんだんと大きく成長するが、たくさん実
ができた時は木が弱らないように込み合った実を間引いておく。葉が25枚に付き、実が
1つ程度が良いとされている。
 
収穫したレモン
 収穫したレモン
 レモンの木は病害虫も少ないが、アゲハの
幼虫が付き易いから注意する。特に新葉が出
た頃に丸い小さな黄色の卵を産み付けるから、
見つけたら取るようにする。
 
 レモンの果実が大きく膨らんで、やがて黄
色に色づいてくる。必要な時に収穫して紅茶
や料理に使う。
 レモンは皮のまま使うことが多い、自家製
のレモンは無農薬だから皮まで安心して食べられる。それに自分で作ったレモンは何だか
美味しく感じる。レモンの果実にはカリウムやカルシウム、ビタミンCが豊富に含まれる。

(2015年12月1日)