フキタンポポ キク科

 年が明けて、久しぶりにホームセンターの園芸用品売り場を訪ねてみたら、
暮れからお正月にかけて販売していた草花や植木などを随分安く販売していた。
値札を見るとほとんどが売値の半額から半額以下で、50円や100円といった値
段がついているものさえある。中にフキタンポポがきれいに花を咲かせていた
ので数鉢を買い求めた。
フキタンポポの花、花の終りは赤く色づく
 フキタンポポの花、花の終りは赤く色づく
フキタンポポの花、花の終りは赤く色づく
 最近、フキタンポポはフクジュソウの代
用品として取り扱われていて、よくお正月
の寄せ植えにも使われている。花がタンポポに似ていて、葉がフキのようで、
地下茎を伸ばして繁茂する。花はフクジュソウのように日が当たらないと開か
ない。毎日、日が当たると開いて夕方になると閉じる。葉は花が終わってから
展開するから、これもフクジュソウと似ている。

 フキタンポポは明治の中ごろに日本に入ってきたらしい。薬用植物でもある
から栽培書を調べるのだが、栽培方法を詳しく書いたものは見当たらない。
 みねはな会の山野草栽培全書には、フキタンポポが日本に導入されるように
なったのは、富樫氏がフランスの知人から種を導入して大量に栽培して普及さ
せたからとある。
 ヨーロッパが原産地のようで、自生地では雑草のように繁茂しているそうだ。
丈夫な植物であるのだろう。しかし、売られているポット苗は、根が切られて
花芽だけであることが多い。
 今までにもポットに入った苗を買ったことがあるのだが、いつも枯らしてい
た。苗を買うときは、できるだけ株が大きくて元気な株を選びたい。

 さて、購入したポットのフキタンポポは多分、今頃は花が咲きだしているこ
とだろう。でもできるだけ早くに庭へ、あるいは植木鉢に植え替える方が良い。

 庭植えは、夏の強い陽光を避けるために落葉樹の株元に植えるのが良いと思
う。植える位置が決まれば堆肥や腐葉土を入れてよく混合しておく。地下茎を
伸ばして繁殖するから、数株植えるときは株間にゆとりを持って植える。
 そして、たっぷりと水を与える。今は必要ないが、春暖かくなって根が伸び
始めるころに肥料を与える。

 鉢に植えるときは地下茎が横に伸びるから、初めから少し大きい鉢に植える。
8号の丹波鉢へ植えてみたが駄温鉢やプラ鉢でもよい。まず鉢底ネットを入れて
から大粒の鉢底石を少量入れて、その上にいつも使う混合培養土、あるいは市
販の園芸培養土を鉢の半分程度まで入れる。ポットから取り出したフキタンポ
ポの苗を置いてみて、配置を決めてから花芽が土から出るようにして残りの培
養土を加える。水は鉢底から出るまでたっぷり与えておく。

 フキタンポポは寒さには強いが、植え替えたばかりの鉢は軒下や木の陰に置
く。冬の間はよく日の当たるところがよい。日が当たらなくても、曇り日のと
きでも花は開かない。
 しかし高温には弱いから、暑い夏の間は涼しい木陰に鉢を移動する。
 花が終わると葉と根を伸ばし出すから、液体肥料や緩効性化成肥料を規定量
与える。

 薬用には花蕾を用いる。去痰、鎮咳、利尿に煎じて服用する。
ポット苗を鉢へ植えるところと
 ポット苗を鉢へ植えるところと
植え終えた鉢。
 植え終えた鉢。

(2015年2月1日)