アマチャ ユキノシタ科
 
 毎年、梅雨の頃になるとあちこちからアジサイの花だよりが聞かれる。いろ
いろな種類のアジサイを集めた観光アジサイ園や、境内にアジサイだけを植え
た寺などができたからであろう。
 アマチャはヤマアジサイの仲間であるから花もヤマアジサイによく似た花を
咲かせる。落葉低木で株立ち状に成長するから、鉢植えにしても、庭で栽培し
てもなかなかきれいなものである。雨露にぬれたアジサイの花と、葉にアマガ
エルがあれば一味違った風景になる。
コアマチャの花
 コアマチャとアマギアマチャの花
アマギアマチャの花  
 
 アマチャという名は総称で、コアマチャ、オオアマチャ、アマギアマチャな
どが知られている。甘茶を作る種類は甘味成分を多く含むコアマチャが用いら
れる。
 むかし、アマチャの栽培を手伝ったことがあるのだが、その時はほとんど花
を見ることは無かった。花穂や徒長した茎は刈り取られるからである。そして、
収穫した葉は発酵、乾燥させて甘味料として用いられる。
挿し穂 挿し木したところ
 挿し穂と挿し木したところ
 
 
 アマチャの繁殖は株分け、挿し木で行われる。挿し木の時期は今頃が最適で、
伸びた枝を挿せばよく活着する。
 挿し木の方法は今年伸びた新枝を10〜15?ほどの長さに切り、小粒の赤玉土
などに挿せばよい。まず、切り取った枝を写真のように挿し穂を調整する。大
きな葉は半分程度に切り取るとよい。挿し穂には市販の発根促進剤を切口に付
けると活着しやすい。
 一方、5〜6号の浅い駄温鉢に培養土入れて水で湿らせておく。そこへ割り
ばしなどで下穴をあけて、その穴に挿し穂を挿しこんで行く。
新芽が膨らんできた様子
 新芽が膨らんできた様子

 新芽が大きく成長すれば1本ずつ大きな

鉢へ植え替える。同時に肥料を与えて成長を

促す。

 

 アジサイ類は花が終わった後、すぐに剪定

する。花から2〜3節下の節のすぐ上の部分

まで切り戻しをする。切った後に伸びる新梢

の先に花芽ができる。

 こうして小さな鉢植えにしてアマチャの

花を楽しむことができる。

 この方法は観賞用のアマチャの栽培方法である。

 活着したかどうかの判断は、20

日ほども経過すれば分かるように

なる。挿し穂の軸や葉が緑色を保っ

ていて、節につく脇芽が大きく膨ら

んでくる。

アマギアマチャ
 アマギアマチャ
 

(2014年7月1日)