ニワトコ スイカズラ科
 
 ニワトコは、北海道から九州までの山
ニワトコ スイカズラ科
野に普通に自生している雑木です。6月
頃、丸く赤い実をつけることから、庭木と
して庭園に植えられることがあります。
 ニワトコの枝の髄は太くて均一なの
で、学生の頃に顕微鏡実験でこれを用い
て切片を作ったことを覚えています。
 また、枝は太さが均一なので小鳥の止
まり木によく使われたりもしました。
 
 ニワトコは栽培が容易で、庭に植える
にしても場所や土質を選ぶことはありま
せん。しかし、湿り気のある肥沃地が最適
なので、日陰地でもよく育ちます。
 今月はニワトコを挿し木で増やしてみ
ることにしましょう。
 
 ニワトコの挿し木の時期は、春、今頃、そして初秋が適しています。太さが1
?ほどもある枝をもらってきて花瓶に挿しておきました。しばらくすると節か
ら新しい葉を伸ばし始め、水の中から枝を持ち上 水中の枝の様子

水中の枝の様子

げてみると、今にも根を出すかのように点々と白
くなっているところがありました。そのことから
も容易に挿し木ができることが分かります。
調製した挿し穂

調製した挿し穂

 
 
 挿し木の時期は、3月の春挿しは前年に伸びた枝を、初夏から初秋に挿す時は、
今年伸びた枝を用います。挿し穂は10〜20?ほどの長さで2、3節を含むよう
に枝を切ります。
 その時、挿し穂の上部に節があるように節の1?ほど上で切ります。葉は付い
ていてもつかなくてもよいのです。むしろ大きな葉は半分程度に切り取ります。
挿し床は赤玉土を用いましたが鹿沼土や畑土でも構いません。
挿し木したところ

挿し木したところ と活着した様子

活着した様子  
 この時、園芸店で売られている発根促進剤を用いると一層効果があります。挿
し穂の切口を水に浸けて発根剤が良くつくようにします。先に割りばしなどで
土に穴をあけて置いて、そこへ下部5?程を挿し込みます。
 挿し木を終えた鉢は直射日光を避けた明るい日陰に置き、水切れさせないよ
うに管理します。
 挿し木が上手く行けば上の節から新しい葉を伸ばしてくるのでわかります。
十分活着すれば1本ずつ大きな鉢へ植え替えます。いつも使っている培養土や
市販の園芸培養土が良いでしょう。そして緩効性化成肥料などを少量与えてお
きます。
 
 ニワトコは花や葉を飲用すれば発汗、利尿作用があり、また、打撲傷には罨法
料として用いられます。
 

(2014年6月1日)