葛根湯を構成する7種類の生薬を小さく切り刻んだものを見せて、その名前 |
を当ててもらった。対象は生薬を勉強していない人たちであったが、ショウガ |
とシナモンはほとんどの人が正しく答えてくれた。 |
ショウガもシナモンも東南アジア、熱帯地方原産の植物であるが、どちらも |
普段から香辛料や食品として食べて知っているからであろう。 |
最近、ショウガは健康食品として注目されるようになって、家庭でもいろい |
ろな料理に使われるようになり、その需要が増してきた。正に日常生活に溶け |
込んでいる食品のひとつなのである。 |
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熱帯産のショウガがいつごろ日本に入ってきたのか、その年代は不明である |
が延喜式に記録があるらしいからかなり古くから栽培されていたようである。 |
その当時からは随分年月が経過するが、ショウガの品種は少なく、塊茎の大き |
さによって大ショウガ、中ショウガ、小ショウガの3郡に分類されている程度 |
である。しかし、最近はわが国の主要な生産県である高知、千葉、長崎県など |
の産地をはじめ各地で栽培が盛んになって、その地方の気候に適した栽培品種 |
が見られるようになってきた。 |
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ショウガが好きで、数年前からショウガを畑で栽培するようになった。熱帯産 |
ショウガの栽培は比較的簡単、とはいえ高温が必要であるから平均気温が |
20℃ごろになってから植え付ける。それは4月下旬から5月中旬ころになると |
おもう。ショウガを植える時期が近づくと園芸店やホームセンターには種ショ |
ウガが売られるようになる。 |
植えつける1週間ほど前に畑の準備をしておく。 |
畑には苦土石灰100g/?、堆肥2?/?、化成肥料(N:P:K=8:8: |
8)100g/?をまいてよく耕耘しておく。苦土石灰を撒くのはショウガの栽培 |
には土壌のPHが中性の方が良いためである。次に畝幅50?程度の畝を作る。 |
畝の長さは植えるショウガの量によるが種ショウガ1?で6mほどに収まった。 |
買ってきた種ショウガは数個連なった大きな塊茎のままになっていると思う |
から、芽が2〜3個付く様に分けておく。ショウガは両手で簡単に折れる。あま |
り小さく割ると収量が悪くなる。 |
畝の中央に深さ10?ほどの溝を堀り、芽を上に向けて種ショウガを30?間 |
隔で並べて行く。その上に5?程度になるように土をかける。 |
植えつけから30日を経過したころになると地上部に芽を出してくる。 |
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葉を展開して、草丈が15?ほどになれば化成肥料を一握り、約20gを株の |
周りに与える。 |
肥料は葉が成長した8月頃にも同じように与える。この時、肥大したショウ |
ガの塊茎が地上部に出ないように土寄せをしておく。また、雨が少なくて乾燥 |
しているときは敷き藁をするか、ときどき灌水をする。土に適度な湿度がある |
と塊茎の太りは一層大きくなる。 |
11月に入ると地上部の葉がやや黄色味を帯びてきたら収穫する。 |
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畑が準備できない場合はプランターで栽培することもできる。園芸店には野 |
菜栽培用の大きなプランターが市販されているから、これを使えば1株か2株 |
ではあるが同様の方法で栽培できる。鉢植えは観葉植物にもなる。通常は花を |
付けないが温室などで栽培すると開花することがある。 |
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