アミガサユリ(バイモ)ユリ科
 
 今月は、種まき、株分けや植え替えなどの園芸作業がたくさんあって、最も
忙しい月です。園芸店やホームセンターでは、この時期に合わせて花の苗や野
菜の苗がたくさん売られていますから、どこの店も大賑わいの様子です。 
 
 今月はアミガサユリの苗を買って、き
花の内側の網目模様
  花の内側の網目模様
れいな鉢へ植え替えて衣替えをするこ
とにしましょう。
 アミガサユリは、春早くに淡黄色の釣
鐘型の花をつけます。この花の内側に網
目状の模様があることからアミガサユ
リと呼ばれます。
 普通、アミガサユリの植え付けや植え
替えの時期は9〜10月の休眠期が良いの
ですが、苗が市場に出回るのが花の咲
く今頃ですから、栽培の最初は花の咲く株を求めることになります。
 
園芸店で売っているポット苗
園芸店で売っているポット苗
  園芸店で売っているポット苗
 
 アミガサユリの鱗茎は白い鱗片が2個向き合って丸い球状になっています。
その鱗片の間から40〜50センチほどの茎を伸ばして、その先に数個の花を付け
ます。店に並んでいたのは、2.5号のビニールポットに入った苗で、既に数セン
チほどの新芽を伸ばしていました。
 このままでも花を見ることができますが、きれいな鉢へ植え替えて、室内で
花を楽しむことにしましょう。
 
 まず、鉢と培養土を準備します。鉢は5号程度の大きさの化粧鉢かプラ鉢と
市販の園芸培養土か、あるいは鹿沼土、赤玉土、日向土の等量混合した土に、
腐葉土や堆肥を1〜2割加えた培養土を用います。
 先に鉢底に大粒の培養土を少し入れてから、土を崩さないように、ポットか
らそっと苗を取り出して鉢の中心に置きます。位置を決めてから周りに培養土
を鉢の縁まで加えて行きます。
 
 アミガサユリは生育期間が短く、夏前にはもう葉が黄色くなって地上部は枯
れてしまいます。そこで植え付け時に緩効性化成肥料などを少し与えておきま
しょう。また、葉が緑色をした生育期間中は時々液肥を与え球根を太らせます。
球根が大きく育ちますと、翌年も花を見ることができます。
 
 庭に植えると水やりなどの管理がずっと楽になります。写真は数年前に庭へ
植えたのですが、今ではたくさんに増えて、あちこちで大きな塊になって、見
事な花を咲かせてくれます。
 庭植えするには、樹の下のような明るい日陰が良いようです。排水のよいとこ
庭に植えたアミガサユリとその花
   庭に植えたアミガサユリとその花
庭に植えたアミガサユリとその花
   
ろで、植えつ
け時にあらか
じめ少量の堆
肥を土に混ぜ
ておきます。
 肥料は油粕
や緩効性化成
肥料を施しま
す。
 増やすには分球や実生によります。採取した種子を赤玉土や日向土の小粒を
混合した土に採りまきしますと、翌春には芽を出します。小苗には薄い液肥を
与えて肥培します。しかし、花が咲くまでには3〜4年かかります。
 
 アミガサユリの花は切り花にしても楽しめます。楚々とした花の姿がお茶花
として人気があるようです。
 

(2012年4月1日)