ツワブキ キク科
 
 ツワブキは海辺近くの山林や雑木林に多く見られる。今頃になると黄色の花
をたくさんつけるからよく目立ち、遠くからでもツワブキの生えていることがすぐに
わかる。
 四国を旅していたら、長さ数十メートルもある擁壁全面にツワブキの植えてある
ところがあって、それだけでも壮観であるが、花が咲く今頃にはきっと見事な光景
になっているであろうと思う。
 
ツワブキの花
ツワブキの花
 
全面にツワブキが植えてある
全面にツワブキが植えてある
 
 ツワブキの若葉はフキのように食用にされる。春のころに伸びた葉柄を摘み取り、
熱湯でゆでてから冷水にさらして皮を剥き、マヨネーズやごまみそ和えなどにして
食べる。
 
 フキの茎を砂糖や醤油などで味付けして伽羅色に煮た伽羅ブキは、フキで煮ると
柔らかすぎて煮崩れするが、ツワブキの茎を使うとうまくできる。
 また、秋のころには、花やつぼみをてんぷらにしても食べられる。
 
 今頃、ツワブキの苗の鉢植えが園芸店
市販のツワブキの苗
市販のツワブキの苗
やホームセンターで売られている。園芸
品種も多く、白や黄色の斑入り葉のもの
や、獅子葉などがある。花は一重咲きで
あるが、八重咲のものもあるらしい。
 
 ツワブキの栽培は至って容易で、庭に
植えても鉢植えでもよくできる。木の下
などの日陰でも、日の当たるところでも
よく育つ。どちらかと言えば日陰では草
姿が大型になるが、日当たりでは小型になるようだ。
 出来るならば庭植えにしておくと後の管理が楽で、何ら手入れをしていない
が、毎年、毎年、花を咲かせてくれて、しかもよく増える。
 
 鉢植えは庭土や市販の園芸培養土でよく育つ。小さな鉢で作れば小さく、大
きな鉢で作れば大きくなり、いかにもツワブキの方で合わせてくれているかの
ようだ。春と秋に緩効性化成肥料などを少量与える。
増やし方は春か秋に株分けで増やすとよい。
 
 ツワブキは古くから民間薬として用いられ、葉をつぶして、あるいはあぶっ
て腫れ物や切り傷などに用い、葉や根茎を乾燥したものを煎じて健胃、下痢な
どに服用するとあった。
 

(2011年12月1日)