アサザ ミツガシワ科
 
 近くの池にアサザの群落がある。毎年、今頃になると3センチほどの黄色い花
が池一面を覆い尽くすほど咲くから、緑の葉と黄色の花とで、実に見事な光景
が見られる。
アサザ
 
 図鑑を見るとアサザは北海道か
ら九州まで、全国に分布するようで
ある。多年草で、地下茎から水中茎
を伸ばしてスイレンのような丸い
葉を水面に展開する。葉腋からたく
さんのつぼみを伸ばすが、花が咲く
のはその内の1つだけで、しかも1
日で終わる。花は黄色で直径3〜4
センチ、5枚の花弁がある。
 
 最近、水草に興味が湧いて、栽培を始めた。小さなトロ箱でメダカを飼って
いたが、そこへアサザ、ガガブタ、カラー、ショウブなどの水草を1鉢ずつ一
緒に入れたのだが、どういうわけか、今はアサザの葉で水面は覆われてしまっ
た。毎日のように次々と花を咲かせて暑い夏を楽しませてくれる。
 
 この時期は園芸店や量販店にも水草の鉢植えがたくさん売られているから、
水草を手に入れるには今の時期が一番都合が良い。
 まず栽培容器はスイレン鉢が手に入れば見た目にもよいが、プラスチックの桶
や工事用のトロ箱でもよい。それに水草の鉢植えを入れ、そして葉が水面に出
るように水を入れる。もし葉が水没するようならば水の量を少なくするか、鉢
アサザ
 
の下へ台になるように空の植木鉢や石
を入れて調節する。この水の量は、今
まで置かれていた環境によるもので、
来年、新芽が出るときには少々深くて
もアサザの葉が水面まで伸びてくれる。
 
 これだけでは簡単すぎて面白くもな
いならば、水草を鉢から出して、直に
培養土へ植えてみるがよい。
 
 そして違う種類の水草と組み合わ
アサザ
 
せても楽しい。メダカなどを入れると、
ボウフラの湧くのも防げる。
 
 容器の底へ田圃の土、なければ赤玉
土の小粒を2〜3?ほど入れて、先に
容器の半分ぐらいまで水を入れる。そ
して適当な位置に鉢から出した水草
を置いてみて、植物が動かないように
株の周りに赤玉土を追加する。葉の茎が伸びて水の上に出るように水を加える。
 
 鉢は日当たりのよいところに置いて、時々、減った水だけ補充すればよい。
冬は軒下などに取り込み、あまり凍結させないようにする。
 増殖は葉が茂ると株分けする。時期は春が良いのだが、根がついていればい
つでも活着する。春に固形の油粕などの肥料を土に入れてやると株もよく増え
て、花つきもよい。
 新葉は伸びて水の上に出たときにアブラムシが付いたり、バッタなどが食害
するから注意する。
 

(2011年8月1日)