栽培こよみ 第20回 カタクリ Erythronium japonicum Decne. ユリ科
第20回
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カタクリ Erythronium japonicum Decne. ユリ科 |
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花の時期と種まきや植え替えなどの園芸作業とは、どうしてもその時期が一 |
致しない。よく知っている植物であれば何ら問題な | カタクリの鱗茎 |
く作業を進められるが、初めて取り扱うものでは、 |
ガイドブックなどを参考にしながら作業を進めな |
ければ上手く育たないことがある。 |
カタクリは早春の花としてよく知られている。 |
ところが植えつけの時期は鱗茎の充実する今頃 |
が最適なのである。 |
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カタクリは環境が良ければ大群落をつくって咲く。花の咲くころに鱗茎を堀 |
出そうと思っても深くてなかなか掘りだせない。花茎と地中に潜った鱗茎との |
距離が長くて、焦って掘るとすぐに途中で切れてしまうからである。それもそ |
のはず、鱗茎は毎年少しずつ太りながら地中深くに潜って行く。 |
最近は洋種カタクリなどとともに園芸店で入手できる | カタクリの市販品 |
から、それを買って植え付けてみた。大きな鱗茎が入手で |
きれば春には必ず花が見られるだろう。 |
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鉢は鱗茎の大きさに対してちょっと深めの鉢を準備す |
る。培養土は水はけのよい日向土などの山砂に、赤玉土か |
鹿沼土を3割程度混ぜて使用するのが良い。 |
冬は凍らない場所で管理し、芽が出る季節になると木漏 |
れ日程度に陽の当る所へ移動する。 |
花後は固形の油粕などを数個与えて、出来るだけ涼しい |
場所で管理して、葉が長く残っているようであれば栽培は成功と言える。葉の |
ない休眠期にも適度の水やりを忘れないようにしなければならない。 |
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カタクリの鱗茎からは良質の澱粉がとれて片栗 | 道の駅で売っていた葉 |
粉として利用してきたが、それも昔の話、今はジャ |
イモのでんぷんを使っている。それでも名は片栗 |
粉と呼ぶ。 |
鱗茎は煮て食べられるが、なんだかもったいなく |
て食べられない。葉はお湯で茹でて、お浸しや和え |
物に利用できる。 |
採集するときは1株に2枚ある葉の1枚だけを収穫して、株を保護しよう。 |
食べ過ぎると腹を下すらしいから、少量で季節を味わうのが良い。 |
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