新年を迎える植物 ナンテン
 
 今年は元旦から営業しているお店がたくさんあって、店先にはどこともきれ
いなお正月の飾りが目につきます。そんな飾りの中に赤い実の植物がたくさん
使われていました。ナンテン、マンリョウ、センリョウ、カラタチバナ、ヤブ
コウジです。
 
 これらの植物はどれも日本の山野に自生していますが、実のなる今頃は、栽
培品を園芸店で容易に手に入れることができます。
 
 ナンテンの名は難転にも通じ、古くから縁起木として庭に植えたものです。
正月の飾り付け以外にも葉を進物の品に添えた
ナンテン
り、料理の飾りに使います。
 赤い実を子どもたちは雪ウサギの目にして遊
びました。乾燥した実は鎮咳剤として用います。
 ナンテンはこのようにいろいろな用途に使え
ますから、庭で、また、鉢植えで作っておくと
便利です。
 ナンテンの栽培は容易で、増殖は実生や株分け、挿し木で増やします。
栽培書には年内に収穫した実を砂と一緒に保存しておき、春に蒔くとありま
ナンテン
すが、生産目的でもなければ気のついたとき
に庭の片隅に蒔いておくとよいのです。
 飾り終えた切り花の実を鉢植えの隅に蒔い
ておいたのですが、写真のようにたくさん芽
を出しました。大きな葉はマンリョウ、手前
がナンテンです。春になるとこれを新しい鉢
へ植えかえます。
 
 挿し木は春の発芽前が良いので、3月ごろに行います。前年に伸びた充実した
枝を用い、二節を付けて15センチほどの長さに切ります。ナンテンは枝が固い
ので斜めに鋏を入れると軸をつぶさずに切ることができます。
 挿す前に十分灌水をしてから、半分ほどを土に挿します。発生した芽が充実
してくると肥料を施し、秋か翌春に定植します。


(2009年1月元旦)