ホーム > 漢方・生薬について > 歳時記 > 歳時記(2003年) > 「寒の水」

歳時記


「寒の水」
 
 カレンダーの印によって、母達の味噌作りが近づいていることを知りました。
「寒の水は腐らなくていいんだよ。健康にいいんだよ。」と母は話してくれます。
 
 「寒」は、二十四節気の小寒から大寒を含み、節分の前日までの約1ヶ月間(1月6日頃〜2月3日頃)
で、一年中でもっとも寒い時期です。
この時期の水は、雑菌が少ないとされ、各地で味噌、醤油、酒づくりなどに利用され、餅をつくる地方もあります。
 
 古来中国では、節気水という言葉があり、
 寒露、冬至、小寒、大寒の水は、五臓を滋補し、痰火、積聚、虫毒の諸丹、丸薬をつくるには、
これでつくるとよい。とされています。
 
 そのうちにカレンダーの印の日がやって来て、母は「家族の健康のため。」と言って、いそいそと味噌造
り会場へと出かけていくことでしょう。